ケースインタビューとは

ケース・インタビューとは、インタビュー(面接)を行うコンサルタントがクライアントの立場で、或る問題を提示しその解決策の提言を求めるシミュレーションを行うインタビューです。いわばコンサルティング・プロジェクトの縮図と言えるでしょう。質問への回答を作り上げ、それを伝える過程は、コンサルティングに求められる多くの資質が試される場となります。その資質とは、情報を集めて紡ぎ合わせる、複数の解決策オプションを出していく、その中で最も影響の大きいものを選択する、そしてその内容を説得力を持って伝える、という一連の思考作業を限られた時間(ケース・インタビューの場合、数十分から1時間程度など様々なパターンがあり得ます)の中で効果的に行っていく能力です。

ケース・インタビューでの考え方

必要条件:論理的にアプローチする

ケース・インタビューにおいて基本となることはロジックと知識を最大限活用して問題の本質を見抜き、明確な成果につながる解決策を考え抜くことです。

誰のための課題解決なのかを意識する

問題を抱えている当事者がどのような立場にいるかによって、提示すべき解が異なることがあります。ケースでは敢えてそこを曖昧な形にして出題されることがあります。誰のための問題解決なのかについて考察するとともに、その問題解決について設定すべき前提を明確に述べてください。

論点を構造化する

情報を分析する際には、必ず「全体観」を捉えるようにして下さい。最も重要な論点がどこにあるかを特定し、それに基づいて分析や解決策の構造化および優先順位付けを行うようにして下さい。

仮説を構築する

ケース・インタビューはシミュレーションです。全ての情報が得られるわけではありません。必要な情報がどうしても与えられない場合は自分の知識や経験に基に仮説を設定し、それをベースにロジックを展開して下さい。そのとき、どのような前提を置いたか、なぜそのように考えたかを明確に説明するように心掛けて下さい。

求められている解を提示する

施策案を求められている課題では施策案を、数字を求められている課題では数字を必ず提示してください。問題解決においては解を導くプロセスが重要なのは言うまでもありませんが、求められている解を提示できないのであれば、それは意味がないものになります。

付加価値の源泉:クリエイティブに考える

コンサルティングの仕事においては、論理的な思考を土台として、クリエイティブであることが非常に重要です。論理的にアプローチすることを念頭に置きながら、ケース・インタビューの中でさらに幾つか挑戦していただきたいことがあります。

慣習に挑戦する

差別化を意図し、新しい考え方を提示するように心がけ、お仕着せの問題解決手法に頼りすぎず自分の視点と考え方を重視するようにして下さい。できる限り自由な発想に挑戦し、それを表現するようにして下さい。

多様な方向から問題にアプローチする

ケース中の組織が直面する問題を構造化する方法について、必ず別のやり方がないか探すようにして下さい。どの方法を選択するかによって、解決策オプション構築の仕方が異なってきます。

ケースの例とアプローチのキーポイント

ケース例

ここで紹介するものは実例の一部です。実際のケース・インタビューで出題されるテーマは企業・ビジネスに関するものに限定されません。

  • ある自動車用バッテリーのメーカーがマーケットシェアを低下させており、利益率も悪化している。この企業はどのようなアクションを行うべきか?
  • クライアントである欧州の菓子メーカーが米国市場に高級商品ラインで参入しようとしている。このクライアントはそれを実行すべきか?
  • ある投資家集団が4万人収容のコンサート会場を建設しようとしている。どのような要因について検討を行うことが必要か?

 

キーポイント

下記のポイントはあくまで検討のための参照項目です。これらを網羅することは必須ではありませんが、問題を構造化し、仮説を構築するための切り口の例として活用してください。

市場動向の影響

  • 市場全体はどのような構成要素(セグメント)に分かれていて、それぞれどれくらいの大きさがあるか
  • 各市場セグメントでの需要はどのように変化しているか
  • 各市場セグメントでの顧客が商品に求めるものはどのように変化しているか

 

競合動向の影響

  • 競合製品間の差別化要因は何か、それはどのように変化しているか
  • 競合が持つ強み・弱みはそれぞれどのように評価できるか
  • シェア上位者による占有率はどのようになっているか

 

顧客/サプライヤとの関係

  • 相対的な交渉力はどちらがどの程度強いか
  • 代替となる製品は存在するか、それはどのような長所を有しているか
  • 垂直統合(バイヤー/サプライヤー間の連携・統合)による影響はあるか

 

参入/撤退障壁

  • 参入/撤退しようとしている各プレーヤーの強み・弱みはそれぞれ何か
  • 参入に対して競合はどのような反応をすると考えられるか
  • 事業規模によるコストへの影響はどの程度あるか
  • 政府による規制は参入/撤退にどのような影響を及ぼすか

 

エコノミクス

  • 必要な投資はどの程度と見積もることができるか
  • アクションによってどの程度の売上を期待することができるか
  • 収益性に最も大きな影響を与えるのはどの要素か

 

ケース・インタビューに臨む際の心構え

リアル・ビジネスでの課題解決に、テスト発想での「正解」や「100点」は存在しません。上記で例示した視点を参考に、あなた自身のこれまでの経験・知識をフル活用して、より良い解決案を見せて下さい。上記のキーポイントはあくまで参考であり、あなたの能力を引き出すための材料の一部でしかありません。解決策はどこかから与えられるものではなく、あなた自身があなたの持てる力を総動員して真剣に考え抜く―――これが最も大切なことです。

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